2018年7月8日日曜日

札幌遠友塾自主夜間中学代表の工藤慶一さんのインタビューを掲載しました。

まずは昨日までに豪雨にて西日本、南部の全体に甚大な被害を及ぼした災害に心よりお見舞い申し上げます。311以降毎年のように意識させられることですが、やはり日本の国が持つ自然の恵みと同時に、それが牙を剥きだしとする自然現象と共存せざるを得ない。この国ではそういう二面性を持つのだなと改めて考えざるを得ません。

さて、今回はさまざまな理由で、例えば戦後の混乱や子ども時代からの長期の病気療養、あるいは現代的にいえば外国からの労働で日本にやって来た人たちなど、基礎的な学びの機会を失ってきた人たちや、持てない人たち。基本的ないわゆる、古風にいえば、「読み書きそろばん」の機会を失ってきた人たちのために運営されている、「自主夜間中学」を1990年から運営してきた札幌遠友夜間中学の代表の工藤慶一さんのインタビューをお届けします。
内容はこちらです。

本年、この自主夜間中学のドキュメンタリーも地元の民間放送で放映されましたが、大変説得力のあるものでした。実際、生活者としてはこのような番組こそゴールデンタイムで放映してもらいたいと思ったものです。

自主夜間中学で基本的で基礎的な学びをする。それを求める実情がある人たちがいるということ。それは「より高い学力」「より高い向上心」、分かりやすく目に付きやすい向上する「力」を良きものとして流布していくいまの世間の中では、ともすると全く見過ごされやすいものだと思います。(例えば分かりやすい結果が出るスポーツの世界。オリンピックやワールドカップでの日本選手の活躍を褒め称える、あるいは彼らの努力の過程を英雄的に取り上げる状況がありますね)。

それ自体は何ら問題のないことですが、自分たちの社会の中にはさまざまな事情で基礎的な学びを得る機会を持てず、生活の中で想像を超えたさまざまな障がいに出会う機会もあるわけです。そこをフォローし、多くのボランティアとともに教え学び合い、人と人として触れあう。そこに強い問題意識を持ち、「この道」として選んだ工藤さんの生きる目的はここだ、との使命感を持った。なかなかいまの時代には持ち得ない切実な発見があったのだなと感じ、それは大変説得力のあるものでした。

同時に、その工藤さんは実に柔和な笑顔が絶やさず、非常に温和な語り口が印象的でした。しかし同時に、社会的に置き去りにされた人たちに対しての行政のありようなどに関しては強い憤りをお持ちのようで、その熱い気持ちも内側に秘めているのだろうなと。
そういう人としての魅力を、向き合っていて強く感じる「人」としての存在感を感じさせていただけるインタビュー体験でした。

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